赤 堀 彰 夫 の 部 屋 へ よ う こ そ
いつだったか、友人達と浜名湖のゴルフ場で飲みながら、老後の話になった。これだけ生きてきたらあと何年かって考えるよね。だけど、意外にも残りの時間を深く考えることがない。そして、不思議なことに、人間は背負ったものに対して寛容になってくる。
ところで、赤堀は前向きに見えるよね、って言われることになった。そりゃ、この年になると新たな自分を取り戻そうってことは、難しくなることがはっきりしてくるね。これからの身に起こることに反省って言葉が少なくなってくるからかね。60才代までは失敗や挫折も何とかやり直せるかなって思っていたけど、ここまで来ると新たに後悔しても反省しても取り戻す時間が無いように思い始めた。だったら、今の能力で出来ることの範囲を拡げたって良いじゃないか。今まで医者のことしか出来なかったし、まぁ、そう考えるのも前向きになるかね。そう言われると、そう考えるのも良いな、ってお酒が進んでしまった。
この部屋の中には、様々な時代のお話と、現在に続く生活と、空想の世界などが入り混じっています。小さな赤堀ワールドなので、何の意味合いも気負いも無い部屋ですが、もし、お付き合いいただけたら嬉しいです。
井上靖詩集にインスパイアされた心象風景が好きで、そのために表題を井上靖詩集から取った文章があります。本来の医者仕事は、今まで育てていただいたお返しに、できる範囲での奉仕みたいなものです。
2023年7月28日
赤堀 彰夫