寄り道は時々

浮世絵を訪ねて(6)

推ヲ 探セ。 五大浮世絵師展、歌麿 写楽 北斎 広重 国吉  5STARS of UKIYO-E ARTISTS

あなたの推しをさがせ!江戸を彩った浮世絵五大スターの競演、

上野の森美術館で歌麿、写楽、北斎、広重、国吉の浮世絵五人展が開かれています。行きましたよ。上野公園は暑い、ほんと途中で倒れそうなくらいの照り返しで、木陰を見つけても体から水分が抜けていくのが分かるようです。

上野の森美術館へは数年前にフェルメール展があり出かけたことがありましたが、日曜日だったため当日券は完売し、しかも大行列で入場制限だったため入れなかった悔しさを思い出しました。

今回はこの時の事を反省し、平日の休診日に前もってローチケで平日券を買っていきました。さすがに入館はスムースに行きましたけど、美術館に入ると人が一杯でまさに押し合いへし合い、到底展示してある絵の前までたどり着くことが出来ません。音声ガイドもスマホで小さな音にして聞いていましたけど、行列に並んでいても一向に動く気配がありません。フロアの係りの方も空いているところからご覧くださいと言っていますが、先ずは一休みする椅子が必要です。

浮世絵がこんなにブームになっているのは、NHK大河ドラマべらぼうの影響ですね。

この展示会のポスターのキャッチコピーが実に若者向けにできています。コピーの出だしが「推し!」ですから今までにない趣向です。

流石に若い人たちが多く見られましたが、かつて若者で今若者を唱っているような方も多くいらしていましたが、文化は確実に若者に移っています。

浮世絵には、当時の風情を感じさせるものが多い中で新たなヒーローづくり、イメージ画の創作、写実、遠近、ぼかし、デフォルメなどの作品が流行して人気を集めていましたが、現在ではスマホ撮影にも多彩な撮影方法が選択でき、画像も写真加工アプリの発展で独特のイメージを創作することが出来ます。正に当時の江戸浮世絵文化と相通ずるものがあります。

この点が、若者たちとまだ気持ちはしっかり若者の人たちの心象に通じるのでしょう。まさに江戸の絵画文化が現在の写真文化と共通し、誰でも楽しめるようになってきたのです。この時代の一致性とも言うべき文化現象は、今のカメラ文化を日本の若者たちが日本で特異的に発達させてきた結果と思われるのです。

日本に浮世絵があって良かったと思った日でした。

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