詩集

春まだき

嵐に近い風の吹く日 友に幸せを願う日が来た

50年前のある日 その日では皆幸せな人生を送った

それから50年後のある日 人は長い日を送ることになった

当たり前のように今まで生きた幸せを先送りしなければならなくなった

長引いた命だけに人生に行わなければならないことが多くなってしまった

私たちの日々の中に何もしない時間がなくなった

人よ もう良いではないか

此処まで来たら幸せしか残っていないと思うようにしよう

心はこの先まだまだ名誉と実績の積み重ねが残っていると思っても

今では生きた時間に比べればほんのわずかだ

人よ もう良いではないか

此処まで来たら幸せしか残っていないと思うようにしよう

今日の嵐の冷たさはあの日見ていた春への兆し

今日の日の嵐のように吹く風を受けて歩くのはもう良いのだ

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