詩集

小さきもの

きっと僕が物心ついたずっと前からだけど

冬になると庭に小さな戦いがある

いつもは小さきものが追われているけれど

時にはその小さきものさえ互いに戦うのだ

山の林に比べたらずっと小さな庭なのに

同じ鳴き声を持つ小さきものよ

なぜ戦うのだ

庭にはお腹を満たすに十分なものはないけれど

身体を並べて分け合えばいいじゃないか

戦いは本能かも知れないけれど

そうしていながら君たちの種は数を減らしていくではないか

そろそろ君たちの本能に遺伝子的変化をもたらす時期ではないか

君たちは冬の太陽に思い切り輝く美しい緑の羽毛を持ち

白く大きなアイメイクを持ち

冬の庭の空気を揺り動かしながら僕の心に優しさの変化をもたらすのに

同じ鳴き声を持つ小さきものよ

なぜ戦うのだ

戦いの本能が失せることなく季節は繰り返すのか

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