詩集

時が過ぎて

良く雨の降る日だね

冬なのに

もう炬燵なんかいらない

厚い布団にくるまって温めあうなんて時間もいらない

雨なのに

もうツートンカラーの車もいらない

ダッシュボードの足元から上がる温もりもいらない

冬の雨にガラスが曇る環八までの道路で

アイラブユーも言えない夜

暖炉にほのかに燃える火

テーブルがいくつかあるだけのレストラン

ラザニアとドリアに少しずつの会話

良く雨の降る日だね

冬なのに

もうあの時のアラジンの支度はいらない

毛布の中で足を絡め温めあう時間もいらない

雨が降る窓の外

水滴の一つ一つが時間を溶かして落ちていく

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