詩集

四季

庭の小さな桜に幾つかの芽吹きをみる

濃い臙脂色がこれからの春を語るようだ

秋は一気に通り過ぎて冬になったのに

日本人は四季の人種

体の中も心の中も成合は四季が作用してきた

それがどうだ

消えた四季が君の肉体に作用したのだ

風土になじんだ遺伝子が時を刻むのを休み

消えた四季に応じて自身の存在を変えてしまった

日本人よ 四季の人種よ

季節の先を急ぐのではない

眠る遺伝子を目覚めさせるな

隠れた遺伝子は周囲の様態に目覚め

起きた遺伝子は常に良い結果をもたらさない

日本人は四季の人種

体の中の心の中の成合は四季で作られてきた

人よ 生きるのだ

四季に応じてゆっくりと老衰へと生きるのだ

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