庭の小さな桜に幾つかの芽吹きをみる
濃い臙脂色がこれからの春を語るようだ
秋は一気に通り過ぎて冬になったのに
日本人は四季の人種
体の中も心の中も成合は四季が作用してきた
それがどうだ
消えた四季が君の肉体に作用したのだ
風土になじんだ遺伝子が時を刻むのを休み
消えた四季に応じて自身の存在を変えてしまった
日本人よ 四季の人種よ
季節の先を急ぐのではない
眠る遺伝子を目覚めさせるな
隠れた遺伝子は周囲の様態に目覚め
起きた遺伝子は常に良い結果をもたらさない
日本人は四季の人種
体の中の心の中の成合は四季で作られてきた
人よ 生きるのだ
四季に応じてゆっくりと老衰へと生きるのだ