詩集

 

これは、片岡球子さん1962年の作、海(鳴門)です。良く知られた絵なのでご存じの方も多いと思います。

僕が、この絵に出会って、ドキっとしたのは、まるで囲った部分です。産婦人科医なら慣れ親しんだ画像、胎芽をエコーで見ている図にそっくりなのです。

1962年は昭和37年ですから、この世に産婦人科エコーが存在しない時代です。片岡さんには、未来を読み取る力があったのか、偶然なのかは分かりませんが、壇ノ浦の戦いを描いた中でのインスピレーションに、ただただ、敬服するばかりです。

これと似た胎芽画像は、なかなか難しくて一枚だけありました。分かりにくいですが、まるで囲った部分を、子宮内の胎嚢と言い、胎児が育っていく部屋みたいなものです。超音波画像なので、水の部分は黒く映りますので、胎嚢内に羊水が充満しています。その中の上方のモヤモヤした部分を胎芽と言い、これからやがて胎児の形になっていきます。もう心臓は動いています。

その下の方に袋のようにぶら下がっているのが卵黄嚢と呼ばれる部分で胎芽と繋がっています。もう1枚はニコル・テイラー著の赤ちゃんお誕生からの写真です。

何だか、よく似ていますね。

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