若かったころ、ボルチモアに居たことがあります。確か毎週木曜日のランチは、近くのレキシントンマーケットのフードコートへ行ってスパイシーチキンを食べていました。そこは韓国系の女性が一人で料理を作っていてメニューはスパイシーチキンしかありません。オーダーすると細長い容器の片方にバターライスを入れて、大きな鍋からスパイスの効いたアツアツのチキンの煮込みを入れてくれる。なんという美味しさだろう、それに何となく懐かしいような味でした。何度も通ううちにおばさんもおまけしてくれるようになって、容器からチキンがあふれそうになっていました。
レキシントンマーケットのフードコートには、何時行っても腰に二丁拳銃の警官が何時でも撃つぞといった雰囲気でパトロールしていましたが、何時しかこんな緊張感は薄れていってしまいます。
このところずっと気の抜けない日が続いていたけど今日はゆっくりできている。久しぶりにお料理しようとスーパーへ行って陳列ケースを見ていたら、鶏肉もブランド化されていて餌にこだわったりしているのですね。そう言えば、このところチキンを食べていないな。そうだ今日は鶏肉にしよう。
あの、レキシントンマーケットのスパイシーチキンを思い出しましたが、レシピを聞いたわけでは無いし、もう遥か過去のことですから同じように出来るわけがありません。でも似たような雰囲気で食べてみたいなと早速始めました。
厚鍋に玉ねぎ一玉を四つに切って、コンソメ、ガーリック、岩塩を入れて玉ねぎがしっかり煮えたところへ鶏モモ肉を適当な大きさに切って煮込みます。そこへ豆板醤を入れて、韓国味噌も残っていたのでこれも入れてローリエも一枚入れて兎に角煮込んでいきます。しばらくしてから味を見てみたら美味しい!そこへひよこ豆をたっぷり入れてコトコト煮込みます。ひよこ豆って美味しいですね。それこそ米国に居た時には料理というと何かと豆がたくさん出てきました。
ご飯はどうしようかな、そうだサフランで色づけしたご飯にトマトの赤はきっときれいだと、これやってみましょう。トマトは水分が多いのでトマトを切った後にお皿に並べてそのままカバーしないで、二分くらい電子レンジすると水分が半分くらいになるのでこれを炊き込みます。ご飯に軽く黄色の色付けするには和食ならクチナシでしょうけど、クチナシなんて無いし、サフランでもクチナシでも色素成分は同じだから今日はサフランで良いね。サフランは炊き込むよりは、前もって色出ししておいた方が良いでしょう。
こうして、ご飯が出来たらお皿に盛って黒コショウの塩漬けを少し載せて、お皿の片方にチキンの煮込みを盛り付けます。もちろんひよこ豆もたっぷり入れましょう。そしてこの煮込みとご飯を軽く混ぜながらいただきます。いつもはちょっとしか食べない老夫婦ですが、今日はきっと美味しいから何時もの倍炊いておきましょうと言ったところが大当たり!すべてお腹に収まりました。


